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将来の飛行機は乾燥しなくなる?

腐食しないこれからの飛行機

水が溜まっているかなんて、毎日整備士が点検すれば良いじゃないの?、と思うかもしれません。でもそれは無理なんです。水が溜まっているか見るためには、飛行機の床や壁のパネルを全てはがして点検しなければいけません。
飛行機が休んでいる夜間に、あの大きな機体の床や壁を全てはがし、隅々まで毎日点検するのはとても無理なんです。

とはいっても安全のために点検は必要なので、定期的に行われる重整備のときに点検をしています。重整備では長期間飛行機を格納庫に入れて、客室や貨物室の内張りや床を全部はがし、隅々まで腐食している所が無いか点検をしています。

でも近々、乗客も整備士も、やっかいな結露と機内の乾燥を気にすることは無くなるかもしれません。
これから開発される新しい旅客機の材料は、金属ではなく複合材が使われたものが増えてきます。
すでにボーイング787という最新鋭の旅客機は、材料が従来のアルミニウム合金に代わり、多くの主要構造部にカーボン繊維複合材が使われています。

カーボン繊維複合材を使う一番のメリットは、機体重量を大幅に軽量化できることです。
それ以外にも、非金属のため腐食しないという大きなメリットがあります。機体が腐食しなければ、今までのような腐食対策は不要になります。重整備で点検にかかる時間も、大幅に削減することができます。
そして何より、今までのように徹底した機内の除湿をしなくてもよくなります。

今までの旅客機の湿度は10%以下と、カラカラに除湿されていますが、新しい飛行機であるボーイング787では、湿度を10%以上に保湿できるよう改善されるそうです。

近い将来、もっと湿度に影響されない飛行機が増えれば、長時間飛行機に乗っても、乾燥で悩まされることは無くなるのではないでしょうか。




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